90s~00sヴィジュアル系の儚くも華やかなサウンドを現代に蘇らせ“しし者”である「色々な十字架」--。耽美と下世話を行ったりきたり、その中で産み出されるある一定のベクトルで残虐な歌詞や、ネットが繋いだファンとの絆、そしてまだ色褪せない高円寺での思い出を赤裸々に語る!
聞き手:森 樹
構成:SHOW-OFF編集部
撮影:タナカマチコ
協力:cafe garage Dogberry
Contents
高円寺に舞い降りしし者--色々な十字架
――まずは自己紹介も兼ねて、「色々な十字架」メンバーの皆さんにとっての高円寺の印象を一言お願いします。
kikato:ギターのkikatoです。高円寺は街の印象がどうこうというより、高円寺のライブハウスで過ごしていた頃の自分がなんだかどうしようもなかったというイメージですね。よく出ていたのは、新高円寺のクラブライナー(現Loft X)。ライナーの近くの「中華 ことぶき」っていうお店がめっちゃ好きで、ご主人とかにも優しくしてもらっていたので、閉店したときは悲しかったです。
tacato.:ギターのtacato.です。同じく僕も東京に来て、高円寺中のライブハウスを巡って自作のデモCDを渡したりして、クラブライナーもよく遊びに行っていて、あそこの周辺の店でめちゃくちゃ濃いウーロンハイを死ぬほど飲んでライブをやって、ぐちゃぐちゃになって最後はゴミ袋の上で寝たりしていました(笑)。周辺に住んでいたというにはちょっと遠いですけど、いつも通っていましたね。クラブライナー店長で、テルスターの千葉タケヒサさんとは今でも仲が良いです。
dagaki:ドラムのdagakiです。僕が以前ギター・ヴォーカルを務めていたバンドで、よく高円寺HIGHに出ていました。当時、高円寺HIGHで働いていたcruyff in the bedroomのハタ ユウスケさんの紹介でZEPPET STOREの五味誠さんを紹介していただき、アルバムをリリースしたことがありました。そのつながりもあって、すごくお世話になった街ですね。それと今年の6月まで方南町の方に住んでたんですよ。で、環七沿いを往復しまくったんですけど、僕、「味噌一」のラーメンが大好きで、さっきも通って「味噌一食いてえ」と(笑)。夜遅くまでやっているので、深夜にどうしてもラーメン食いたいってなったら、チャリンコをかっ飛ばして、あそこまで行ってラーメン食ってたなっていう思い出があります。よく遊びに来ていた、好きな街ですね。
――バンドマンらしい、いい思い出がみなさん大量にあるんですね。
tink:ヴォーカルのtinkです。私はもう高円寺に8年くらい住んでいて、ディープな北側じゃなくてちょっとスマートな新高円寺側、南側なので、ルック商店街がホームです。それで「まいばすけっと」とかのチェーン店に行っていました。
――「七つ森」とかではなく?
tink:一回も行ったことない。お店の開拓ができないんです。でも、唯一頑張って行きたいなと思って行ったのがタロー軒で、ライブ終わりにヘトヘトで新宿から帰ってきて、タロー軒って、24時間営業じゃないですか。タロー軒の灯りが温かくて、ラーメンを食べて帰る。それがもう思い出ですね。
misuji:ベースのmisujiです。私は高円寺には全く思い出がなくてですね(一同爆笑)。初めて来たのは12、3年前。役者志望の友達が高円寺に住んでいたんですよ。で、友達の家で宅飲みして朝まで過ごしてっていうのが初めてで、そこから10年くらい高円寺に来たことがなくて、高円寺のライブハウスにも出たことがない。「色々な十字架」をやり始めてから、高円寺にゆかりのあるメンバーがいっぱいいるので、来る機会が増えてきました。で、12月8日にtacato.くんの生誕祭で初めて高円寺HIGHでライブをさせていただきます。自分の周りには高円寺に住んでいる人や、高円寺のライブハウスにいっぱい出てる人が多くて、やりたいことを全力でやろうとしている人や、全力じゃなくても楽しく過ごすために高円寺を選んでいる人がいっぱいいて、高円寺への憧れはあります。
tink:高円寺のすごく良いところだけをいっぱい見ている感じがする(笑)。
misuji:まあたまに高円寺に来て帰るときとか、大体、夜だとか夜中か朝かなんだけど、ヤバい人いるなっていう感じですね。そういう人がいっぱいいるのも、ディープな人間の中身をめっちゃ表現してる街やなという感じではありますね。
エイプリルフールの企画からスタート
――続いて、皆さんの略歴を聞きたいのですが、そもそもtinkさんのエイプリルフールの企画で始まったバンドが、アルバム2枚をリリースしてここまで広がりを見せるということは予想していましたか?
tink:ヴィジュアル系(以下、V系)をやりたかったので、エイプリルフールにかこつけてやってみた。そうしたらみんなの反応が良くて、メンバーも「楽しかったね」ってなって、それで続けたら人気でした(笑)。
――V系のメイクや衣装を再現する大変さはありますか?
kikato:最初はもう初めてのことだったから、大変さを楽しんでいました。
――tinkさんは「ティンカーベル初野」名義の普段のソロ活動と違うバンド体制になって、こうしなきゃいけないみたいなことはありましたか?
tink:ソロは一人で全部完結するんですけど、バンド・メンバーには音楽的なバックグラウンドがちゃんとあるので、みんなに一旦デモを投げて、大体の世界観を共有します。するといい感じの曲ができるっていうか。
90s~00’s V系バンドからの影響
――メンバーの皆さんV系をいろいろ聴かれていたと思うのですが、一番好きだったV系はどういうバンド?
tacato.:元々はXとかhideとか。実際リアルタイムで知ったバンドだと、the GazettEとかだと思います。
――「色々な十字架」のサウンドには様々なV系のオマージュが込められていますが、みなさん、「こういうのにしようよ」っていう話は大体通じるんですか。
tink:そうですね。misujiさん以外は結構V系通っているんで。
misuji:僕、何もしてなかった人みたいな(笑)。僕は中学のときに175R(イナゴライダー)のコピーとかをやっていましたね。ベースのスタイルとしてはそんなにメロコアという感じではなくて、高校生のときはミクスチャー・ロックがすごく好きで、東京に出てきてからは歌モノをやったりとかしていたので、V系はあんまりよく分からないんですよ。ただ、V系を通っていないんですけど、曲を作ると何故かそれっぽくなる時があったので、潜在的なV系のセンスはあったのかもしれない。
――kikatoさんはどんなバンドが好きでしたか?
kikato:自分は最初はL’Arc~en~Cielが好きになって、雑誌の『BANDやろうぜ』とかを読んでいたらV系のバンドばっかり出ていたんですよ。そこで、GLAYとかDIR EN GREY、ROUAGEとかいろんなバンドをコピーしてって感じですかね。もう単純に当時流行っていたから好きになったところもあると思いますね。
――今のkikatoさんのスタイルは割とMana様(MALICE MIZER)から影響を受けてらっしゃるんですか?
kikato: Mana様も好きだけど、写真を見た数で言ったら、Plastic Treeの有村竜太朗さんですね。竜太朗さん専門の写真のフォルダがあるんですよ(笑)。当時は、自分にはできないものだと思っていて、「いいなー」とスマホに入れて眺めていました。
――なるほど。では、このバンドで思いが炸裂して今に至ると。dagakiさんはこの中では最後に加入していますが、元々声はかけられていたそうですね。
dagaki:そうですね。最初のMVのときから声をかけてもらっていたんですけど、予定が合わなかったり、その撮影場所にドラムを持ち込めなかったり、そういうので参加は遅れてって感じですね。ドラムを始めたきっかけは、XのYOSHIKIさんに憧れていたんですよ。YOSHIKIさんがフロアタムを投げているのを見て、「カッコイイな、いつか投げられるようになろう」と思って(笑)。
misuji:今でも投げようと思えば投げられるよ(笑)。
dagaki:まだ早い(笑)。一番V系でハマったバンドって言ったらLa’cryma Christiですね。今でも世界中にあるアルバムで一番好きな1枚を選ぶならLa’cryma Christiの「Sculpture of Time」を選びます。
kikato:あ、私のV系の遍歴のところにもLa’cryma Christiって加えておいてください。
――テクニカルでプログレ要素のあるツインギターの感じとか、後進に与える影響は大きかったかもしれませんね。tinkさんはV系への憧れはどうですか?
tink:そうですね。ずっと自分の世代だと『Mステ』とか『うたばん』とか、お茶の間にもいろんなバンドが出ていたので。X、LUNA SEAもそうだし、SHAZNAとか。最初に自分の意思で聴きたいって思った音楽がSHAZNAの『SWEET HEART MEMORY』。
憧れは多分あったと思うんですよ。変身願望というか。そこからちょっと離れていたんですけど、妹がV系が好きで。ファッション誌『KERA』と、音楽誌『ARENA37℃』に載っていたthe GazettEやNIGHTMAREとかを知って、また燃え上がって、ちょっとまた戻ってMALICE MIZERとかを聴いていったという遍歴ですね。
V系ファンが集い、1stワンマンをSOLD OUT!
――なるほど。バンドとしては、1stワンマンから完売という結果でした(渋谷WWWをSOLD OUT)。その手応えはいかがでしたか?
tink:幕が開くまで「嘘でしょ!?」みたいな感じだよね。実際にお客さんが入っているのを見て、自分たちがこうしてくださいって言ったわけじゃないのに、V系特有の「咲き」とかヘドバンとかが勝手に生まれていて。それで「あ、いけるのかも? このままやっていった方がいいのかも?」って。
――いわゆるV系のマナーがちゃんと楽曲にあって、お客さんがそれに反応してくれた。
misuji:パッて幕が開いた瞬間、僕らも初めて人前に出るみたいな。「しし者」というのが「色々な十字架」ファンの総称なんですけど、「『しし者』って本当にいるんだ!」って。あっちも「『色々な十字架』って本当にいるんだ!」って(一同笑)。お互いがお互いを本当にいるのね、みたいな。
tink:オフ会みたいな(笑)。
misuji:(笑)。それが最初の印象で、その日のライブはお客さんが楽しんでくれているのもわかったし、自分たちもすごく楽しかった。ただ、良かったんですけど、そこからどう続けていくとか、あんまりビジョンを持っていなくて。馬鹿売れするとかまでは思わなかったにせよ、こういう楽しいことが続けばいいなと思いました。
――tacato.さんは別のV系バンドの経験もありますが、ファン層の違いや、これはやっていけそうという手応えはありましたか?
tacato.:やっぱり違いましたね。以前バンドをやったときは、お客さんを10人集めるだけでも大変だった記憶がありますし、初ワンマンなのにまさかのSOLD OUTだった。開演したときは「めっちゃ見られて怖っ!」て(笑)。それまでは5人が20人ずつ友達を呼べば100人集まるから、友達めちゃくちゃ呼んで、それで記念公演だ! みたいな気持ちでいたけど、知らない人がいっぱい見ているみたいな。知らないお客さんが多すぎて友達を呼べなかったんですよ。
dagaki:一日でSOLDだったよね。
tacato.:そういう意味ではいけるのかなとか具体的なことは考えてないんですけど、「うわぁ、すごいな」とは思いましたね。その「すごいな」っていう実感を、今「色々な十字架」を続けながら少しずつ体験して現実に慣らしていって、あのときのあれは夢じゃなかったんだって。それまでエイプリルフールの嘘で始まっているから、「またまた嘘でしょ? いや……本当なんだ!」みたいな感じで、徐々に変わっていってる感じだったんですよ。実感をどんどん得ていくような。
――嘘が真実へと昇華されていく、これぞまさに耽美ですね……。
dagaki:どうしてこんなに人が集まったかを振り返ると、ちゃんとV系への愛が伝わったのかなとは思いますね。V系が好きで、V系のメソッドに沿って曲を作ってみたりとかしてやっている僕らの愛を感じてくれた。特に90年代っぽい、ちょっと前の世代のV系っぽい雰囲気を感じ取って、昔そういうバンドが好きだったという人たちが観に来てくださったので、すごくちゃんと届いたという嬉しさはありましたね。
――確かにサウンドとしても、ギターソロがしっかりとあるのがV系イズムですよね。
kikato:懐かしい感じがうまく出せました。例えば、ROUAGEが好きでネットで調べても、「あの頃好きだったなぁ」とか「もう戻ってこないんだなぁ」みたいなブログ記事とかがまず出てくるんです。SNSで検索してもそういう感じで、ROUAGEが好きだっていう気持ちが、ネットで検索するぐらいしか行き場がない状態だから。行き場のない、楽しめる場所が欲しいけどありませんという人が、そこに集まって来てくれた雰囲気をすごく感じて嬉しかったんです。
耽美なV系サウンドと理不尽な歌詞のマリアージュ
――バンドのテーマとしては「耽美」というのがあると思うんですけど、それとは別にtinkさんの歌詞って、下世話でIQがちょっぴり低めじゃないですか。それは色々な十字架の特徴だとも思いますが、どうしてああいう歌詞にしようとしたんですか?
tink:ソロ活動だとジジィとババァのことを歌っているんです。どうしてもバカな作風になっちゃう。ただジジィとババァはソロなんで、それと差別化を図るために、バンドではガキとか、対象を変えていて。
――口の悪さを変えず、対象を変えていく(笑)。その中で、V系らしいヴォーカルは保たれていますね。
tink:そうですね。やっぱり好きだったんで。歌詞はアホなんですけど、そこはしっかりやりたいなってこだわりがありますね。
――メンバーの皆さんはtinkさんの歌詞をどう思ってらっしゃるんですか?
dagaki:それで言うと、元々tinkのソロ活動をずっと知ってはいたんです。お互いに元々やっていたバンドで対バンしていたり、「色々な十字架」が始まった時点で、多分そうなんだろうなと全然何の違和感もなく来られています。
kikato:私はtinkのソロのヴォーカル・レコーディングを大体やっているんですよね。だから歌詞は慣れていたというのもあるし、録音した時にSNSとかで「こんな仕事しました!」みたいなことを言うんですけど、結構ティンカーベル初野の歌詞は周りにも好評で、あの人面白いねみたいな。前々から注目を浴びていて、あと最初の「システムが分からないジジィとババァ」という曲の録音の時に、GACKTさんやhydeさんみたいな声をしているなってちょっと思いました。
tink:最近、こういうインタビューで、歌詞のテーマってやばくないですか? みたいな話の時に、ソロはジジィババァで、十字架は理不尽系って言っている。結構理不尽とV系って相性がよくて、「色々な十字架」が実は一番V系のテーマに沿った残虐性がある(一同爆笑)と活動したての頃にXで誰かがポストしていました。
楽曲やライブ演出のコンセプト
――セカンド・アルバムも無事リリースされて、結構いいペースで活動していますね。何か作る際のコンセプトみたいなものはあったんですか?
tink:V系の中でも疾走感のある速い曲とかミドルテンポとかある中でバラードがまだないよね、ということで、dagakiにバラード系の曲を作ってというリクエストはしました。バラエティーをもっと出そうというのが一応コンセプトなのかも知れない。ファーストの時よりも世界観を広げて、こういうこともできるんだよみたいな。
――アルバム収録曲「第13セクターの子供達へ」のように、Plastic TreeやCOALTAR OF THE DEEPERSが出していたような感じを生演奏で再現しているところが面白いなと思っています。一方で白サバト(ライブ)の演出もこだわっていて、ルアンちゃん(電影と少年CQ)が朗読したりとか映像も使ったりとか、そういったコンセプトは皆さんで考えられていますか?
tink:ルアンちゃんは偶然みんなが知り合いで。V系のMVって結構、謎の女の子や謎の外国人の子供が出ているっていう。俺たちもああいうのやりたいなって思って、そこからMVに出てもらって、ファースト・ワンマンでもなんとなくふわっと語り部を入れたら思いの外ハマってワンマンで恒例にした感じです。VJは、ライブでも歌詞を読んでほしいなって前からずっと思っていて。
今後の方向性とソロ活動
――今後はV系を極めていくのと同時に活動を広げていきたい気持ちもあると思うのですが、どういう方向に行こうと考えていますか?
tink:もともと十字架のことを知れば絶対好きになるっていう人に届けるのが目標。あとは個人活動がみんななんかいろいろ充実すればなって。個人的には俳優をやりたいです。
misuji:僕は本当にV系を通ってもいなかったし、V系の音楽自体にその当時興味があったわけじゃないんですけど、tinkの作る企画だったら絶対楽しいぞって思ったので飛び込みました。なので、一般層というかV 系に興味がない人の入り口になれるようなバンドになっていきたいなっていうのはすごく思っていますね。実際に、「色々な十字架」を知るまでV系は全然聴いていなかったみたいな人も結構ライブに足を運んでくれていて、僕みたいなV系を通っていなかったメンバーが一人いると結構入りやすいっていう話もあるので、そういう役割もできたらなって思うんです。
dagaki:「ヴィジュアル系の、お話がしたいの。」というトーク・イベントを不定期でやっているんですけど、あんまり学術的なことではなくて、本当に思い出を語る会みたいな感じなんです。トーク・テーマをこのバンドって一つ絞って、このバンドのこのアルバムのこれがすごいとか、MVの演出がすごいとか、そういう話をしていて、お客さんもV系を愛する人たちが結構来てくれたりとかして、その共感が生むグルーヴみたいなのってすごいじゃないですか。その感じがすごく楽しくて、こういう会はもっとやっていきたいです。あとはmisujiさんも言っていましたけど、V系を聴かない人にも届いてほしいというところでは、結構お客さんの中で十字架を目当てに観に来て、対バンのV系がかっこいいからそっちにも行ってみようみたいな感じで、V系のバンドに通うようになってくれたとか、V系そのものに興味を持って聴いてみるうちにハマっていったみたいな声が回ったりとかして、入り口になっているという実感を少しずつ得られています。
tacato.:オルタナ系のバンドや高円寺界隈で活動してきた下地もあるし、V系でもめちゃめちゃ輝きたい。あまり分けて考えていなくて、どっちのこともリスペクトしているし、勉強させてもらっています。そこを音としてもバンドとしてもクロスオーバーしていけるような存在なんじゃないかなって思います。「色々な十字架」は幅広い人たちに聴いていただいて、ありがたいことにV系という世界にも受け入れてくださって感謝しています。
kikato:自分はあんまりバンドの見え方とか世の中の動きとかにあんまり興味がなくて、音のことしか興味がないんです。こういうシンプルなバンド・サウンドがもっと流行ったらいいな。今回のアルバムでも私が録音やミックスをしていて、この功績で仕事が来たらいいなと思ったけど、周りを見渡したら、今のバンドの主流ってメタル・コアっぽい音とか、重めだったり速い感じの音。だから仕事無いなぁって(笑)。そろそろ時代が一周回って、柔らかくて空間がある音みたいなのが流行ってきたらいいなと思います。
――これからまた人気が出るバンド・サウンドの一つとして「色々な十字架」という先達があったということになるかもしれないですね。これからやりたいことはありますか?
misuji:tinkのやりたいことをやっていきたいですね。
tink:僕のやりたいことって言うと、もうミュージカルになる。(メンバーに向かって)よろしくね。一回も曲やらない。
misuji:親に言っとくわ。
tink:ちょっと本当にやりたい。
――では、ぜひ座・高円寺でやってもらって。
tink:座・高円寺、めちゃめちゃやりたい。
来年10月は高円寺フェスに出演……!?
(ここでずっとインタビューに同席していた高円寺フェス北口広場MCの山本昇さんが乱入)
山本:あの、高円寺フェスというのをやってまして、北口で司会を10年ぐらいやってるんですけど。プロレスリングがステージなんです。これに出てください!
tink:ずっと横目に見てたんです。通り過ぎて。
山本:これでちょっと事件起こしてください。
メンバー一同:出たいです!
山本:阿波おどりからお笑いからいっぱい出ます。
tink:ダダダムズとか出てますよね。ゆるキャラとか。
山本:ではtinkさん高円寺フェス出演に関して最後に一言どうですか? 出ていただけますか?
tink:出ます(即答)。
――言わされました(笑)。さすがもう素晴らしい。本日はありがとうございました!
PROFILE
色々な十字架
有名な水族館の水を全部飲んだことがあるティンカーベル初野が、毎年エイプリルフールに行う「半分ウソで半分ホントのアーティストをプロデュースする企画」にて、2020年のエイプリルフールに生み出された90sヴィジュアル系リバイバルバンド。当初はエイプリルフールだけの企画だったが、反響が良すぎたためバンドを継続。正統派ヴィジュアル系楽曲に倫理観の無さすぎる歌詞を乗せる奇妙な世界観が、エンターテインメント業界の各方面から注目を集めている。
色々な十字架 公式サイト
RELEASE INFO
2nd Album『1年生や2年生の挨拶』
発売日:2024年11月13日
発売元:元気で笑顔が輝くレコード
CD本体(歌詞カード付属)+特殊スリーヴケース仕様+24ページ写真集ブックレット+メンバービジュアルカード(6種よりランダム封入) [通常盤] \3,300
CD(歌詞カード付属)のみ