The Otals(ザ・オタルズ)インタビュー

Interview:山藤 輝之(SHOW-OFF編集部)

結成の経緯と想定外のスタート

June FAXxxxxx(Gt/Vo):俺が昔組んでいたバンドがあったんですけど、メンバーが抜けたりとか、ありがちな感じで爆散しちゃって。そろそろ何かやろうかなと思ったタイミングで、「YouTubeやSNSで流行るようなやつを流行りそうなメンバー集めて一発やってやるぞ」くらいの気持ちになったんです。ボーカルは華やかなモデルの女の子とかを入れて一発当ててやろう、みたいなめちゃくちゃ低俗な気持ちで始めようとしたら、そういうのが露呈してたんでしょうね、全然人が集まらなくて(笑)。

一同:(笑)

June FAXxxxxx:誰も集まらないし「どうしようもねえな」って思った時に、曲だけは溜まっていたので、とりあえずデモを進めるかってなって。「こいつ(Marina Timer)に声をかけるしかなくなってしまった」という感じで始まりました。

Marina Timer(B/Vo):「いいじゃん」ってなって(笑)。

June FAXxxxxx:最初は本当に「デモに声を入れてみて」くらいの感じだったよね。最初に歌入れした曲は『そしてチャイナブルー』。

Marina Timer:全然思っていなかったです。とりあえず1曲歌うっていう。

June FAXxxxxx:「飯奢るから来て」みたいなね(笑)。それまですごい仲良くやってたとかでもないから、全然会っていなくて。めちゃくちゃ久しぶりに「歌入れてくれない?」って、こっちも気まずい感じで誘いました。

June FAXxxxxx:「飯奢るから」って言っても、「お前と飯食うって何なんだよ」みたいな空気で(笑)。すごい微妙な感じでスタートしたんですけど、歌声を聴いたのもめちゃくちゃ久しぶり、というかほとんど記憶にないくらいだったのに、「あ、意外と形になりそうだな」と思って。なんとかこのままズルズルこいつにやらせられないかなって、セコい算段で(笑)。で、めちゃくちゃちょうどよく、Marinaが若干お金に困ってたんですよ。

Marina Timer:(笑)。

June FAXxxxxx:若干食うに困ってて。「じゃあちょっと、また歌入れてくれたら飯奢るから」って言ったら、のこのこ来ました。

June FAXxxxxx:手伝い程度だよね。俺が前にやっていたバンドの時に、微妙にいたっていう。もうほぼクレジットしか入っていないくらいなんですけど(笑)、手伝いでいて。その時にも「女性ボーカルをゆくゆくは入れよう」みたいな魂胆があったから、なんとか名義だけ引きずり込んで、どっかで入れられないかなってタイミングをずっと伺ってたんです。でもその時は実現しなくて。今回The Otalsをやるよっていう時に、お金がなかったり仕事がなかったり、いろんな悪いことのタイミングがうまくカチッと合って(笑)、うまく回ったよねっていう。

ネットの都市伝説から、ライブでの「生存確認」へ

June FAXxxxxx:最初の1〜2年くらいはずっと録音だけ。録音と曲のリリースをひたすら繰り返してました。

Marina Timer:そうだね。

June FAXxxxxx:めちゃくちゃなペースでやってたよね、あの時。

Marina Timer:半年に1回、EPを7曲入りとかで。

June FAXxxxxx:そう。でも合間にシングルとかも出してたから。それだけじゃなかったしね。結局出してないデモとかもいっぱいあるから、ハイペースで。でも、ライブをやっていなくて制作中心だったからできたのかな。最初から音源制作に全振りしていたので。

June FAXxxxxx:今までは1回も出てないです。ワンマンライブだけしかやってないですね、今のところは。

June FAXxxxxx:そうですね、ありがたいです。

Marina Timer:そうですね。年に2回とか。

June FAXxxxxx:去年は4回やってるんじゃない? そんなにハイペースではないですけどね。

June FAXxxxxx:いや、でもわかんないよな。なんか、ずっと口コミだけで回り続けてるというか。ファン同士の口コミだけで、1回もバズったりしてないよね?

Marina Timer:そうそう、そうなんです。本当にファンの人がお友達とか学校の人とかに広めてくれて、地道にここまで来ました。

June FAXxxxxx:完全にそうだよね。「お前らこんな顔してたんだ」っていう気持ちではありましたね(笑)。多分向こうもそうでしょうけど。

Marina Timer:「本当にいたんだ」っていう感想はたくさんいただきました。

June FAXxxxxx:「伝説だと思ってた」って(笑)。

Marina Timer:「本当にいたんだ」っていうのをいっぱい。目撃した、みたいなのをたくさん書かれてました。

June FAXxxxxx:多分ファンの方からすると、マジで「本当にいたんだ」みたいな気持ちだったし、俺らもそうだったよね。ファンの人たちに対して「お前らネットの存在じゃなかったんだ」「ネットの都市伝説だと思ってたわ」みたいな気持ち(笑)。だから、ライブに来てくれた人たちが思っている以上に、俺らは嬉しかったよね。

Marina Timer:そう、すっごい嬉しかったです。楽しくて。

June FAXxxxxx:「お前らそんな顔してたんだ」って(笑)。

June FAXxxxxx:一番わかりやすいのは、結構実家が嫌がってたんです、最初は。俺がバンドをやっていること自体が。「普通に生きてくれ」みたいな。どこに行ってもちゃんとできないタイプだったので、「ちゃんとやってくれ」っていう、かなり保守的な考えの家だったんで。バンド活動に関しては「やめてくれ」みたいな感じだったんだけど、それが手のひらがだんだん返ってきたっていうのが、一番身近で感じる変化ですね。俺はこっちに友達いないから、マジでそれくらいしか話せることない。

Marina Timer:私は友達に「本当に歌ってるの?」って言われました(笑)。「Marinaなの?」って。

June FAXxxxxx:素を知ってるというか、曲のキャラクター、歌声のキャラクターと結構違うよね。

Marina Timer:そうですね、気さくなんで。

June FAXxxxxx:自分で言う!?(笑)「そうですね、気さくなんで」ってある?(笑)

ジャンル論争へのスタンスとポップスへのこだわり

June FAXxxxxx:こだわりっていうか、そこがちょっと珍しいというか、ジャンルの中では割と浮くところなんです。俺が元々そのシューゲイザー……これちょっと難しいというか、今ちょうどホットになってる話題だから難しいんだけど(笑)、そのジャンル論争みたいな。難しいんですけど、自分の考えでは、ジャンルがどうかっていうのは、あんまり気にしていない。作っている側は正直、自分については好きでやってるだけ、好きなことをただ思いついて「これおもろいんちゃうか」みたいなことをやっているだけなんで。

ジャンルがどうこう楽しんだりとか「私はこういうものが好きだ」っていうのは、あくまでリスナーが自分の好きなものを見つけたりとか、楽しむためのものなんじゃないかなっていうのが結構根底にあって。

例えば新しいものを作るのに、既存のジャンルにぴったりハマるものっていう、ギチギチの制約の中で作っていくっていうのは、かなり狭くなっちゃうんじゃないかなっていうのを元から思ってたんですね。だって新しいものを作っているんだから、既存のジャンルからハミ出ることは、そりゃ往々にしてあるでしょうよ、みたいな。

例えば『The 1975』を「エモ」ってラベリングする人もいれば、なんか、もっと違う「ポップス」だとか「ロック」だとかいう人もいるけど、でもどう考えてもThe 1975と『Oasis』と『The Beatles』とって並べて「同じジャンルです」って無理あるじゃないですか、サウンド的には。

June FAXxxxxx:だからなんていうか、そういうジャンル名とかはリスナーや音楽ライターが、何かをおすすめしたり、その音楽の業界を盛り上げていくために使う名前だと思っているんで。シューゲイザーとかオルタナティブとかのジャンルの中で「こういうものを作るぞ」ってやっている人たちとはちょっと違う軸を持って作っているところがあるなっていうのは自分でもわかっているので。

俺はそういうトラディショナルな音楽も好きなので、全然否定するつもりじゃないんですけど、自分自身なんかジャンルに関しては結構フリーな立場で作り始めたので。で、ちょっと前置きがクソ長くなっちゃったんですけど、そのシューゲイザーっていうジャンルの「端っこ」が割と好きだったんですよね。

そのメインの『My Bloody Valentine』とか、例えば『Slowdive』とか、結構ドローンな要素が強いバンドよりも、俺は結構その端っこの、ポップスの要素もちょっと持ったものが好きだったんですよね。

ニューゲイザー・ムーブメントで出てきた『The Pains of Being Pure at Heart』とか、日本だったら『スーパーカー』だとか。最初からリバーブよりも、ボーカルとかが割とはっきり聴こえるものっていうのが好みだったので、それもあるかなって思います。なんか多分そこが好きだったのが、自然とそういうものを作る流れになったのかなっていう感じです。

The Otalsならではの男女ツインボーカル

June FAXxxxxx:自分が前身で組んでいたバンドの時に、自分ともう一人男性ボーカルの二人でやっていたんです。で、その時に、ボーカルが変わるだけで色の違いが出せるのが、結構音楽的な広がりが出せたりとか、曲のパターンをいっぱい作ったりするのに、ものすごく有効で。自分で聴いていても聴き飽きないなと思ったんですね。

たくさん曲を作りたかったので、その曲の幅を確保できるなっていう風に思ったから、もう一人ボーカルが欲しいなと思ったんですよね。あと、売れたかったからやっぱ女性ボーカル入れたいなみたいな。「稼げたらいいな」みたいなすっごい甘い気持ちで。「女の子のボーカル入れたら売れんじゃねえ?」みたいな、すごいカスの理論で女性ボーカル入れたいと思ったのが最初ですね。

June FAXxxxxx:そうですね、自分が高く張って歌うよりも低いところを歌った方が良さそうだな、でもそれだけだと音域的な広がりが限られるなという時に女性ボーカルを入れたいなと考えたりしたんですよね。

Marina Timer:結構言われるのは対照的なボーカル。June FAXxxxxxはキザで、私は甘ったるい声。その組み合わせが面白いというのはよく言われます。それがポップで親しみやすく聴こえるのかも。

世界観に沿った表現豊かなボーカルの秘訣

June FAXxxxxx:録音するときに「台詞を読むように、歌い上げるな」とか、よく言ってるよね。大きい声で迫力というより、唇の細かい動きとか、普通の音楽よりも低いレンジのところの表現を深めている。

Marina Timer:The Otalsの曲には毎回世界があって、それに寄せていっています。

June FAXxxxxx:すごく細かい話だと、「今そこでジュースを買ってきて走って帰ってきて『ただいま!』みたいな感じで歌って」とか。「2時間ぐらい待たされてめちゃくちゃ怒っているけどそれがバレないように『ありがとう』って言うような感じで」とか(笑)。

一同:(笑)

June FAXxxxxx:でも表現を擦り寄せると全然違う。昔自分がラウドに大きな声で歌う音楽をやっていたから如実にわかるけど、こういう音楽だと技巧でカバーできない、こうしようと思わないとできない表現があって、録音に時間がかかるよね。

June FAXxxxxx:最初からずっと話し合っているんですけど、ライブとレコーディングは違うものとして考えています。技術的に考えても、工程からして全然違うので同じにやろうとは全く考えていない。ライブではライブの魅力を出せるようにやろうぜって。

June FAXxxxxx:あ、そうですね! でも、それは初期の事情だよね(笑)。Marina がどのくらい参加するかわからないしな、みたいな。当時は飯で釣って……仲良しで一致団結して目標のためにとかでなくて、当座の飯のために(笑)。「飽きた、やめるわ」っていつ言うかわからなかったから。

Marina Timer:私は別に飯に釣られてってだけではなかったんだけど、単純に楽しいなって思っていたので。

新曲へのフィードバックが既読!?

Marina Timer:今回の新曲「さよならマクガフィン」も、歌詞が送られてきて、『どう?』って聴かれて、いつもと違う書き方をしているなと思ったのでそれを伝えました。

June FAXxxxxx:聞いたっけ? 覚えていないな(笑)。

Marina Timer:私は正直に恐れずに意見を言うのがいいと思っているので、ここがいいというところを伝えるようにしています。

June FAXxxxxx:結構辛辣なときあるよね。「よくわからなかった」みたいな。「めっちゃいい」とかはあんまり言われないよね。「いいじゃん」とか、「できたんだ」とか。

一同:(笑)

Marina Timer:その時の私の匙加減で。

June FAXxxxxx:「見た!」とかね。

Marina Timer:既読(笑)。そんなこと言ったっけと思ったけど、あった。多分言えない何かがあるときに。

June FAXxxxxx:あり得ないだろう、という(笑)。

コンセプト・アルバムではなく空気感を揃える

June FAXxxxxx:場合によっては。なんとなくのテーマやこういう雰囲気の曲を並べたりというのはあるんですけど、ガチガチのコンセプトを設けたのは何度か。

「Destroy My Memory」というEPを作ったんですけど、そのときはセカイ系と言われるテーマを導入してオムニバス形式で、世界滅亡が予測されているときの色々な視点の物語を一つにまとめて作ったんですけど、そのやり方自体はあまり多くないよね。

Marina Timer:空気感を揃えるみたいなことはある。ガチガチにストーリーを固めて、っていうそういうものはないです。

June FAXxxxxx:そうだね。いわゆるその、『サージェント・ペパーズ』的な、ま、でもあれも今で言ったら緩いのかな。でもなんかその、『リリィ・シュシュ』みたいな、なんかそういうガッチリとしたテーマで1枚作るっていうのは、あんまり多くはない。

The Otalsのアルバムが2枚あるんですけど。その2枚を作ったときは、それぞれ既存で発表した曲を持ち寄ったのと、あと新曲で繋げて作ったという感じに、たぶん外からは見えているんですけど、ほとんどはアルバム単位で最初に結構計画を立ててから、そのあとのEPにちょっと入ってたりとかするんですね。

かなり曲を作るペースが早いんで、先にもう曲を準備してからアルバムリリースの計画を立てて、で、これを主軸に作る、みたいなやり方をすることがあって。

「夏はこれ1枚あればいい」、Tシャツみたいな音楽

June FAXxxxxx:なんか夏の日とかにドライブとかに出かけて、車とかね、今CD入る車とかあんまないと思うけど、結構昔の映画とかだとあるような、CDを入れて車でドライブする、みたいなシチュエーションで、それ1枚最初から最後までかけておけばいいや、みたいな空気になったらいいな、みたいな。

Marina Timer:旅行に行ったときとか。

June FAXxxxxx:確か昔ね、曽我部恵一さんが、そのインタビューでなんかそういうことを言っていた気がして。で、なんかそれを読んで、すごい感動した記憶があるんですよね。で、そういう自分の、なんか楽しい1日みたいなものにぴったりな、この1枚で十分だな、今日はこれでいこうと思えるようなアルバムにしたいね、みたいな話で。特に2枚目の『All Imperfect Summerland』は、もう最初からそういうテーマで。

Marina Timer:もう10何曲か。

June FAXxxxxx:17曲だね。ガチガチに入ってるけど。

June FAXxxxxx:そうですね、まさしく。

Marina Timer:多分それが伝わってるのか、ファンの方も「夏はこれ1枚あればいい」みたいな(笑)。

June FAXxxxxx:そうだよね、Tシャツみたいな扱いだよね。

毒気はない、でも「カスなこといっぱいあるから」

June FAXxxxxx:自分も毒々しいものは好きなので、批判めいて捉えられちゃうのは心配なんですけど。結構、露悪的なものとか、毒気の強いものっていうのは、今ちょっとトレンドだし、刺激的なものっていうのがポップカルチャーの中に取り込まれてるっていうのは、自分が消費者として接するときにも好きで選ぶので分かるんです。

でもまあ、自分が好きなものも含めて、作ってくれる人がいっぱいいるから、自分は違うものを作ってみようっていう感覚がずっとあって。なんかやっぱり嫌なことはいっぱいあるし(笑)。

Marina Timer:この世界の中では(笑)。

June FAXxxxxx:そうそうそう、カスなこともいっぱいあるから、そういうのばっかり作ってんのもなんかな、っていうのもあるから、自分はちょっと違う方に行ってみようかなっていう気持ちもありました。

June FAXxxxxx:うん、Gorillaz大好きですね。

June FAXxxxxx:まさしくそうですね、デーモン・アルバーンもすごく尊敬してて、好きなアーティストのアルバムって言ったら絶対入っちゃうくらい好きなんですけど。彼も含めてそういうのを作ってくれる人っていうのはやっぱり世の中にいっぱいいるし、すごい人も自分が好きな人もたくさんいるんで。それを受けた上で自分はちょっと違う方向に行ってみようかな、みたいなのは常にありますね。シューゲイザーをやるって言いつつ、今の形になってる、みたいなさっきの話の流れもきっとそうだと言えます。自分が好きなものとかは、ストレートなものはもうあるから、じゃあ自分は何が作れるかな、っていうのはありますね。ずっとそうかも。

The Otalsの世界観にMarina Timerが与える影響

June FAXxxxxx:あ、でも、あるな。あるあるある。こういうユニットで2人でやっているので、どうしてもこいつが歌うことを考えながら作る。こいつの声で、こうやって歌ってるところっていうのを、ある程度考えるんで。ある程度っていうか結構考えるかも。

June FAXxxxxx:うーん、なんか無意識に入っているよね。具体的には、ちょっと難しいですけど。いつも最初に考えることではある。

同じ言葉の意味になったとしても、どっちのニュアンスがMarinaぽいかな、とか、あの声で出るときにどっちがいいかな、みたいなのはやっぱ結構強く影響されるし、曲のテーマとかも、何だろう、なんかちょっとアダルティなやつとかを、なんかこの2人でやるのなんか、な、みたいな(笑)。それは無意識に避けちゃうし、そういう曲をやるときはボーカルの割合をちょっと自分に寄せたくなっちゃったりね。

でも、いっぱい曲を作ってきて慣れてきたので、あんまりそれを制約として捉えないようにしよう、みたいな気持ちも、逆にありますね、最近。

Marina Timer:でも、だからか、割と入りやすい歌詞というか、The Otalsの曲の世界には入りやすいと思いながら歌ってきました。全部わかっているわけじゃないと思うんですけど。

Marina Timer:そういうのもないですね。

June FAXxxxxx:あったけど、もう覚えてない(笑)。でも、多分なんかあったと思う。「なんか変だ」みたいな。「なんか違和感があるから」みたいなことがあった。

Marina Timer:「こんな言い方しない……なんか変じゃない?」みたいな。

June FAXxxxxx:そうそうそう。で、めっちゃ揉めたよね。

一同:(笑)

Marina Timer:でも直した気がするそれを。直してくれた。

――直してくれた(笑)。柔軟。

June FAXxxxxx:直したよね。

締め切りが神様

June FAXxxxxx:いや、そんなことはないですね、締め切りが神様、みたいな。半端な状態で出してもいいって言ってるわけではなくて、作ったものを世に出して初めて存在するっていう風に考えているところがあって。

もちろんすごい長年の歳月をかけて完璧な一曲を作るっていうのも、自分が聴くものの中にはたくさんあるんで、それもかっこいいなって思うんですけど、自分はリリースされて聴けるようになること自体に重きを置いている。ちゃんと出そう、みたいなことは言ってるよね。

Marina Timer:すごく、尊敬してるところ。

June FAXxxxxx:珍しいな(笑)。

Marina Timer:珍しい(笑)。そこは本当にすごいな、と思って見てます。

June FAXxxxxx:自分たちでやっていると、どうしてもね、自然と後ろ倒しにする口実を見つけやすくなっちゃう。で、何度もそういう誘惑には負けそうになったりした。

Marina Timer:締め切り決めたらもう。

June FAXxxxxx:そうだね、この辺で出そうっていうのを必ず守るようにはしてるよね。

芸人みたいな高円寺のネタ合わせ

June FAXxxxxx:めちゃめちゃあるよね。もう、なんか、俺とかは、結構服買いに来る。

June FAXxxxxx:うん。なんか、普通にふらふら見に来ることもあるし、ライブの衣装を買ったり。靴とか買ったりね。

Marina Timer:そうですね。

June FAXxxxxx:そうだなぁ、結構いっぱいあるよね。The Otalsを結成して、その録音して、じゃあ飯食うかっていうので高円寺とかあるよね(笑)。

Marina Timer:高円寺は、私も元々好きな街で、居心地が良いというか、なんか許されてる気分になる。

一同:(笑)

Marina Timer:(笑)。服も見るし、あれ、ギャラリーとか雑貨屋さんとか見たりするのも好きで、こう、ぷらぷらっと、特に目的もなく、なんかドーナツとかクレープとか食べながら歩いたり。

June FAXxxxxx:なんか変なガチャガチャやったり(笑)。

Marina Timer:そうそう。なんか変なの見つけて、送ったりします。こんなのあった、とか言って。スタンプ1個くらい返ってきたり。

June FAXxxxxx:ないな(笑)。

Marina Timer:活動でもいいですか? たまにね、公園とかで会議。

一同:(笑)

June FAXxxxxx:会議(笑)。してるわ、なんか。

June FAXxxxxx:とりあえず、まあ飯食いながら次のこと考えるか、とか言って、結構高円寺の店に来るよね。negombo33のラムキーマは2人とも気に入ってて。

Marina Timer:うん、うん。

June FAXxxxxx:それで近くの公園で、神妙な面持ちで、こう(笑)。「次さぁ」みたいな(笑)。そろそろ、考えなきゃいけないんだけどさ、みたいな。

Marina Timer:へぇー、って(笑)。

June FAXxxxxx:The Otalsは今日のバンドでは珍しいぐらい、めちゃくちゃ喧嘩するんで。もうそこでカレー食ってる最中に、ちょっとピキってなって(笑)。そのまんま、すごい微妙な空気で、「まあ、話さなきゃいけないからさ」みたいな。周りでは、なんかキャッキャした高校生とかがさ、「待てよ!」とか言って駆けてるの(笑)。こっちは「お前なんかねえのかよ、アイデア」みたいな(笑)。

近所を散歩するつもりが、砂漠にサンダルのまま

Marina Timer:今後の目標は、でっかくなりたい。

June FAXxxxxx:でっかくなりたいね。

Marina Timer:みんなにもっと聴いてほしい。

June FAXxxxxx:チヤホヤされてえ(笑)。うちだけなのか分からないけど、マジで、来週のこともずっと分からないままやってるから。どうなんだよこれ、みたいな気持ちで(笑)。

Marina Timer:そうですね、絶対に1年後が予想できないところに、今までずっといる感じですね、なんか。

June FAXxxxxx:近所を散歩するつもりだったのに、砂漠にサンダルのまま来ちゃった、みたいな(笑)。

Marina Timer:そんなイメージ。

June FAXxxxxx:もうずっと、この作品を完成させれば、後はどうなってもいいんだ、って言いながら毎回やっているから。先のことを全然考えてないから、教えてほしい(笑)。

Marina Timer:もう漠然と、でっかくなりたい(笑)。

June FAXxxxxx:最初から、変わってないよね。最初に飯食ったときも、なんかこれで金を稼げたら最高だよなって(笑)。

Marina Timer:そうでした(笑)。

June FAXxxxxx:だからもう来週突然、「無理、もうお前とはやってられん」って言って殴り合って解散するかもしれないし(笑)。

June FAXxxxxx:まあ、最初は長く続けたいよね、っていう感じで始めたっていうか。

Marina Timer:うん。気づいたらここまで。

June FAXxxxxx:気づいたらここにいた、という感じです。

Marina Timer:そんな感じで。下だけ見て歩いていて、ふと見たら全然違う景色だな、みたいな。そんなイメージ。

June FAXxxxxx: The Otalsがかなり訳分かんないバンドなんだろうなっていうことは、うすうす感づいてきたので、もっと訳が分からないところに行きたいですね。

読者へのメッセージ

June FAXxxxxx:へぇー!(笑)

Marina Timer:カンペ読んでいいですか?

June FAXxxxxx:お、すごい。じゃあ、ちょっとその間に考える。ここに性格の違いが出ているよね(笑)。「へぇー!」じゃねえよ、って感じ(笑)。

Marina Timer:The Otalsの曲は結構、日常に寄り添えるというか、ドライブの時でもいいですし、お散歩の時でも、どんなシチュエーションでも聴きやすい曲がたくさんあると思うので、ぜひ構えずに、生活のBGMみたいな感じで気楽に聴いてみてほしいなと思います。高円寺をぷらぷら歩きながら聴くのにもぴったりだと思うので(笑)。

June FAXxxxxx:そうだね。なんか「音楽を聴くぞ!」って身構えて聴くような高尚なものでは全然なくて、さっきも言ったみたいに「今日のドライブはこれ1枚かけておけばいっか」とか、「お気に入りのTシャツを着る」みたいな、それくらいの軽いノリで付き合えるバンドでありたいなと思っていて。

高円寺っていう街も、そういう、良い意味で雑多で、いろんなものを許してくれる空気があるじゃないですか。俺らの音楽もそういう、日常のちょっとした隙間にいつでも置いておけるようなものだと思うので、気が向いた時にふらっと耳を傾けてもらえたら嬉しいです。

で、もし気に入ったら、俺らがもっとでっかくなってチヤホヤされるために(笑)、ぜひ周りの人にも広めてください。

PROFILE

The Otals(ザ・オタルズ)

June FAXxxxxx(ジューン・ファックス) と Marina Timer(マリーナ・タイマー)の従兄妹2人によるシューゲイザーデュオ。2021年3月に突如としてWeb上にて活動を開始。ほとんど口コミのみで規模を拡大し続け、依然として正体不明のまま活動を展開中。

https://twitter.com/Otals_jp

https://www.instagram.com/otals_jp

https://www.youtube.com/@Otals_jp

LIVE INFORMATION

The Otals – Solo Show at QUATTRO “SuperhyperdestructiveIloveyou!!!”(OneMan)

会場:渋谷CLUB QUATTRO

日時:2026年8月11日(土)

開場17:00 /開演18:00

https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=777446

RELEASE INFORMATION

The Otals 最新曲「さよならマクガフィン」

各種サブスクリプションサービスにて配信中!

https://big-up.style/YyX1xrJH6s